【本棚】植物図鑑
題名のような、決して植物について延々と説明がある本ではない。普通の社会人である主人公の河野さやかが営業に回っているとき、ある花を見つける。その出来事により、「彼」との思い出にさかのぼることになる。「彼」とは名前しかわからない男性、樹。冬終わりかけの夜、行き倒れていた樹をさやかが拾い、同棲しながら二人の恋が進む恋物語である。
二人の関係は契約を結んだ同居人。しかし樹の料理は、コンビニ弁当が主食だったさやかの胃袋をがっちりと掴んでいった。樹の趣味に付き合ううちに、さやか自身もその世界に引き込まれていく。そんなさやかに樹もまた引かれていく。二人は徐々に距離を縮めていった。しかし、別れはある日突然訪れる。そのとき二人はどうするのか。
この後二人はどうするのか。それぞれの身近にはやはり異性がいるが、恋のライバルとなるのか。二人の恋の結末は果たしてどうなるのか。しかし、この本の注目は恋愛の他にもある。それは樹の作り出す雑草(作中では決して雑草とは言わないが)料理と、それにまつわる知識の数々である。料理が好きな人、自然に囲まれたところに住んでいる人、一人暮らしで食事に困っている人はぜひこの本を参考に一品作ってみてはどうだろう。
作者はこのほかにも、「図書館戦争」や「阪急電車」などの代表作がある。長期休みに向け、本を読んでみようという人にはとても読みやすく、リズミカルで楽しい作品となっているので、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。(前田)
| 植物図鑑 | |
|---|---|
| 著者 | 有川浩 |
| 発行者 | 井上伸一郎 |
| 出版社 | 角川書店 |
| 評価 | ★★★★★ |
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