【本棚】ミュージック・ブレス・ユー!!
舞台は大阪、主人公オケタニアザミは「音楽について考えていることは、将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生。髪は赤く染め、眼鏡にカラフルな矯正器という彼女は、パンクロックを日常の支えに進路が何一つ決まらないグダグダな生活を送っている。日常生活の中で起きることから大学受験、卒業に向けて自分の高校生活が思い出されそうな作品であったが、少し関西弁で書かれているためか書き言葉というよりは話し言葉のように書かれている節や、言葉遣いが少々荒っぽく感じられるところが多く見られ、最後の場面でも音楽に対するアザミの気持ちがよくわからないまま終わってしまっている。
しかし、友人の恋の悩みを聞き、自分は友人の為になにかできることはないかと模索し行動することや、作品の中での親との関係、途中によく出てくるアザミの音楽に対する考えかたなど、主人公の気持ちがどこか分からなくもない場面も垣間みることができ、「自分はこの時期に何をしていたのか」を思い出させてくれるような作品である。そして内容がとても簡潔な小説にもかかわらず、読者に様々なことを考えさせる作品でもある。(本郷)
| ミュージック・ブレス・ユー!! | |
|---|---|
| 著者 | 津村記久子 |
| 出版社 | 角川グループパブリッシング |
| 評価 | ★★☆☆☆ |
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